外壁塗装とは、家の外壁の塗装を塗り替えるリフォームの1つです。外壁は雨風や寒さ暑さから屋内を守っている頼もしい存在ですが、その外壁の表面を守っているのが塗料なんですよ。過酷な環境にあり、劣化も起こるため時折塗り直しなどのメンテナンスを行う必要があります。「たかがペイント」と思われがちですが、実は家の寿命に大きな影響を与える外壁塗装。ここではそのメリットや種類、相場など知っておくべき情報についてお伝えしていきます。

外壁塗装をするメリット

美しさが長持ち

車の塗装も購入時は美しいですが、メンテナンスをしないと次第にツヤがなくなり剥げたり、サビが発生することもあります。長年美しいまま乗るには、定期的にコーティングや水垢落としを行う必要がありますね。家の外壁も理屈は同じです。塗りたての時は美しいですが、雨ざらしで夏の暑さや冬の寒さを経験することで塗料は劣化し、ツヤを失い色あせていきます。なんだか古ぼけたイメージになってしまい、水垢が目立っている、苔が生えているなんてこと、ありませんか?外壁塗装は新築のような美しさを取り戻すよいきっかけとなります。今までと違った色を選べば雰囲気もガラリと変えることができ、なんだか引越したような気分になるかもしれませんね。

家の寿命が延びる

外壁は固い素材でできていますが、常に過酷な環境に晒されています。木材なら腐ってしまう恐れがあり、金属ならサビや腐食が懸念されますが、これらを食い止めてくれるのが塗装です。外壁のシールドであると考えると分かりやすいかもしれませんね。塗装には耐久性をアップさせるための、防汚性、防水性、防火性、防カビ性、防藻性、耐塩分、耐衝撃など多彩な効果がみられます。塗装はほんの薄い膜ではありますが、あるとないのとでは大違い!壁から雨水が染み込んで柱が腐ってしまったり、漏電から火事が発生したりといったリスクから家を守ってくれます。定期的にメンテナンスすることで、外観だけでなく家の寿命も延ばしてくれるというのは大きなメリットといえるでしょう。

省エネ

近年、夏は40度近くまで気温が上がる猛暑が定番となっていますが、エアコンをつけることで電気料金が跳ね上がるのを気にしているご家庭も多いですね。家の中の温度は外壁から外の熱が伝わり、上昇する場合も少なくありません。部屋の中を少しでも涼しくしたいなら、この熱をカットする必要があるのです。これを実現するのが遮熱効果のある塗料です。塗料の中には外からの熱を遮断し、家の内部に熱を伝えないことで室内の温度上昇を抑えることができます。塗料選びの際は、カラーだけでなくその性能に注目するとより効果的です。

塗料の種類

アクリル系

単価が安く、以前は人気がありましたが現在はほとんど使われることはありません。5年ほどで塗替え時期が来るため、手間や費用がかかることや、ほかに優れた塗料が開発されたことがその原因です。

ウレタン系

安価ですが密着性と柔軟性があり、変形や劣化に強く木材にも使用できるのが特徴のウレタン系。カラーや商品が豊富ですが、5~8年と耐用年数は短く、短いスパンで塗り替えたいという方以外はあまりおすすめはできません。

シリコン系

塗り替えを検討する方の7~8割が選択するというシリコン系。人気の秘密は、単価と耐久性のバランスです。単価は2,300円から3,000円程度で10~15年の耐久性を誇り、遮熱機能や高耐候性など機能性に優れたものが多いのも特徴です。

フッ素系

汚れを弾いて落ちやすく、酸性雨にも強い防御力の高いフッ素系はスカイツリーや六本木ヒルズにも使われるなど、信頼度の高い塗料です。15~20年と、塗替えスパンが長いのも魅力の1つですがシリコン系の倍近い単価がネック。がっちり守りたい屋根塗装だけフッ素系にするという方も多くみられます。

外壁塗装の相場

外壁塗装・屋根塗装の際、気になる費用ですが、塗料の種類ごとに相場を確認しておきましょう。
ここでは平均的な30坪の住宅をモデルに外壁のみの費用を算出していきます。
アクリル系(耐用年数:4~7年):51万〜
ウレタン系(耐用年数:6~10年):60万〜
シリコン系(耐用年数:8~15年):78万〜
フッ素系(耐用年数:15~20年):90万〜
これらは足場や養生から塗装、後始末まですべての費用を組み込んだものです。やはりフッ素系はダントツの高額ですが、長期的視点でみることも大切。20年間の維持費をシミュレーションしてみると

  • アクリル系51万円×4回=204万円
  • フッ素系90万円×1回=90万円

という結果がでます。1回に支払う費用だけでなく、次の塗替えを見据え、長期的な視点で計算することをおすすめします。

まとめ

外壁塗装や屋根塗装は持ち家の方には欠かせないメンテナンスです。家の快適性や安全性、美観を長く保つためにも定期的に行うことをおすすめします。高額な塗料は手が出ないと思われがちですが、長期的な視点を持つことも大切です。また、高遮熱塗装・高断熱塗装など環境に優しい塗料を使う場合、自治体からの補助が得られる可能性があります。お住まいの市区町村の規定をチェックし、上手に活用しましょう。